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田原のはなし

 むかし昔のそのむかし、ヤマトタケルは、伊勢神宮に参拝し、草薙剣(クサナギノツルギ)をさずかり多くの困難の後に東方の神や人を平定したそうです。

 

 東征の帰路の途中、下野の当地(大字下田原付近)に足をとめ、山田川に入り草薙剣で川をさぐって魚を取ろうとしました。すると川の中にハマグリのような岩(貝殻石)がたくさんあったので、不思議に思いその貝殻石を俵につめて塚にしたそうです。貝殻石をつめた俵から「タワラ」田原の名が付いたそうです。

 

 この話はヤマトタケルの巡行説話で、常陸国風土記に多く見られます。地名起源説話の一つとして、この話も現存しない下野国風土記の逸文ではないかと、神話の世界にロマンをふくらませました。

 

広報かわち 2005年10月より

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