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カッパの恩返し

 むかし上岡本村の九郷半川に、万年橋と言う名の土橋があったそうな。この橋のたもとに馬洗い場があり、その付近で毎年子どもの川流れがあるので「万年橋にはカッパが住んでいる」と噂されていたとか。

 江戸時代中頃の夏の夕暮れ時、お百姓さんが馬を洗って家に帰り、しばらくすると馬小屋が騒がしい。小屋をのぞいて見ると、馬のしっぽにつかまって来たのかカッパが走り回っていた。カッパが馬の水桶に入ったとき捕り押えると、それは子どものカッパだったとか。カッパの目に涙が流れていたので、かわいそうに思ったお百姓さんは、万年橋の下に子どものカッパを放してやったそうな。すると不思議なことに、この付近での川流れがなくなったとか。これは「カッパの恩返し」だと村人たちは話し合ったそうな。このカッパは遠夜のカッパの親かも。この話は異類報恩譚に属するが、カッパの話は清流の川に多く伝っているとか。

 

広報かわち 2005年12月号より

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