大型慢性の多年草で、山野、林、堤、道端などびっくり覆いつくしている姿などよくみかけます。
その勢いはすさまじく、巻きついた樹木を枯らしてしまうほどです。しかし、そんな嫌われがちの、クズも古くから秋の七草として知られています。
紅紫色の花の中央には黄色く目立つ斑点があり、とても鮮やかです。子どもの頃、風邪をひいたときに飲んだクズ湯は、20cmにもなる大きな根から採ります。
草名は、昔、奈良県の国栖(クズ)地方がその名産地だったためと伝えられていますが、クズ自体は、日本中どこでも見られる植物です。
マメ科の仲間には、夜、葉をとじて眠るものか多く見られますが、クズは夜だけでなく昼間も葉をとじて眠ることがよくあります。
更に古代では、蔓の繊維が利用された人々に衣料として使われていました。また、最近まで、静岡、石川県の一部で製布する地域がありました。
広報かわち 2005年10月号より