(画 中澤 一江)
主に山際の湿地や川辺などでよく見ることのできる一年草です。高さ約40〜80cm、茎は直立し分岐して赤色を帯び、節が少しふくらみます。
7〜9月頃茎の先に花茎を出して、舟のような形をした赤紫色の花をいくつもぶらさげ、咲く姿はとても美しく印象に残る花です。
ツリフネソウは、見事に群生していることが多いので、そんなところを見つけたら、花の前にたって、しばらくじっとして観察するのも楽しいです。
すると、まん丸な体にふわふわした毛がいっぱいの、小さなかわいいマルハナバチが「ブーン」という羽音と共に、ツリフネソウの花に潜り込んで、せっせと蜜を集める姿を目にすることが出来るでしょう。
この蜜、人間がなめても甘いので、たくさん花があるときはちょっといただいて味見してはどうでしょう。又花の形を、お伽話の小人の舟にみたてたり、可愛い金魚などを連想することも、野山の草花を観るときの楽しみです。
広報かわち 2005年8月号より