もう4月の声が聞こえてくると下界も天界もそろそろ春霞や黄砂の影響で何となくすっきりしない空になりますが、今回はそれに負けない明るい現象をご紹介しましょう。
3月30日(水)の夜半すぎ、0時30分、東の空から昇ったばかりの月がさそり座の一等星、アンタレスを隠す現象(星食)が見られます。
この時の月の高度は14度しかありませんので、東の空が開けている所を探してください。
また月はまだ小太りで少し明るいので双眼鏡か望遠鏡がないと厳しいでしょう。
狙い目は1時40分、月の暗い側からの出現です。こちらは双眼鏡でも楽に見られます。
これを見逃すと次の1等星の食は2013年8月まで見られませんよ。
さて、4月4日には王者木星が最も地球に近づく衝を迎えます。明るさは1等星の30倍(−2.5等)舞台はおとめ座です。次号では木星の最新映像とおとめ座を紹介します。土星もまだ見えていますのでお忘れなく。
※天文台の公開日は4月16日(土)と4月23日(土)です。
広報かわち 2005年3月号より