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ふるさと探訪(17) うなぎに守られる虚空蔵さま

下田原星の宮の虚空蔵さま

 町老人クラブ会長研修で、十三詣りで知られている茨城県那珂郡東海村村松の虚空蔵さまを見学したところ、下田原老人クラブ会長の渡辺康之助さんから、うちの方にも虚空蔵さまがあると言われたので、冬日和の一日、同所の塚原を訪ねてみました。

 

 明治元年(1868)の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により「星の宮」と改称されたようで、本尊は虚空蔵さま、小さな祠(ほこら)の本殿の周囲に関係の深い「うなぎ」の彫刻がなされています。

 

 

 

 当地、塚原12戸の氏神さまになっており、毎年旧9月29日が祭礼日で最近まで「うなぎ」を取ったり、食べたりしない習わしがあり、取ったにしても放してやることになっていたそうで、特に丑・午・寅年生まれの人は信仰が強いとのことでした。

 

 記録によると江戸時代、文久3年(1863)飢饉(ききん)に見まわれ、豊作祈願のため庄屋・渡辺家より金五両を借用し改築したとあります。虚空蔵さまは「福徳知能・開運出世・無病延命・諸願成就」をかなえ賜(たま)うことをご誓願としています。

 

 祠の周囲に、石仏などがありかなり古いものであることがわかりました。

 

昭和53年(1978)1月20日 第96号掲載

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