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山田川シリーズ(8) 「おおはし」

逆面地内「おおはし」から見た山田川

 通称田原街道から西へ、逆面地区に入ると間もなく山田川に達します。工事中の立札がたててあり、付近の改修工事も進んでいるようでした。山田川にかかる橋の名を調べたところ、記されたあとがあるようでしたが、欠けていてわかりませんでした。ここを通る二・三の人に尋ねて見ましたが「さて、何だったかな、何とか名称はあるようですよ。」との返事でした。そこで早速(さっそく)近くにある桜井商店の若主人に尋ねてみることにしました。あの橋は「おおはし」と呼んでいるのです。また、すぐ上流の橋は「かのがばし」と言うのですとのことでした。

 

 

 

 逆面は、町内でも歴史に残る古い地区です。奈良時代に奈良の都において、勢力をふるった弓削道鏡が、後に下野薬師寺別当として左遷(させん)され、ある日、末寺めぐりの途中、この地を過ぎました。時は夏の盛りで、のどがかわき、なんともならず井戸を探したがつるべがなかったので、供の者がつるべを探している間に井戸の底を見たところ、遙かなる光の中に、自分の顔が逆になってうつっているではありませんか。道鏡は本当にびっくりいたしました。

 

 

昭和55年(1980)3月20日  第122号掲載

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