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路傍の神々(9) 古田の山倉大神

 ライスセンターの北、梅林に囲まれた小高い所に古田の稲荷神社があり、境内左奥に今回訪ねる山倉大神があります。

 

 山倉様と呼ばれ親しまれていて、茨城県下館市小川の山倉神社は、室町時代に千葉県佐原の武士宮内庄左衛門が大六天王の分霊を、下館に祀(まつ)ったとされています。大六天王は、千葉県香取郡山倉村(現山田町)に本社があります。茨城・栃木・福島の各県に広く信仰圏を持っている、この地方独特の信仰です。

 

 山倉神社の特色は、神社の分霊を神官が持って、要請があった地域や集落を巡ることで、県内では真岡・小山・壬生・国分寺などに見られます。

 

 河内町では古田・宝井・白沢・下ケ橋(さげはし)などに巡って来たと伝えられています。時期は、小正月(1月15日)頃から4月頃までの農閑期です。

 

 

 山倉神社を信仰している家は昔からの旧家が多く、当番の家では、先にお触れを出したり、神官の接待や供え物の用意をします。祈祷(きとう)が終るとお札を家の出入口に貼(は)って置きます。疫病除けや子供の発熱、ひきつけによく効くといわれています。

 

 生活の中の神様として大切にされてはいますが、時代と共に信仰も変化しています。今も昔も、健康は何よりの切実な願いであることには変りはないようです。

 

 昭和2年(1927)4月3日に造立され、世話人6名の名前が刻まれています。

 

 河原石 高さ125cm

 

平成5年(1993)12月20日 第287号掲載

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