東下ヶ橋の天祭にまつわる月天像
東下ヶ橋の祭り
東下ヶ橋の老人クラブ会長の郷間清さんに天祭の様子を尋ねることにしました。
天祭の展示は26年ぶりで戦後2度目です。天棚の彫刻は丸彫りといわれ、一本の木に彫った見事なものです。製作には数年を費やし、彫物師(ほりものし)は気が向かないときは酒を飲んでいる。世にいわれる「名人肌」というものであった。
天祭の日取りは、その年の陽気や作柄の状況によって「オンギョウサマ」と呼ばれる司祭者によって決められるが、普通は七夕・お盆・二百十日を中心に三日三晩行われるそうで、これらの祭礼の費用については村の共有財産である水田の小作料が70俵(4,200kg)あり、一切それで賄われたといいます。
「オンギョウサマ」は、村の年配者の中から選ばれ、祭礼中は斉戒沐浴(さいかいもくよく)・精進潔斎(しょうじんけっさい)をするため健康な人が選ばれます。
(つづく)
昭和53年(1978)11月20日 第106号掲載