台岡本の家並
岡本城の東側に根古屋と言う地名があります。これは城の下とか、城の根岸とか言う意味のある言葉と言われています。各地に多い地名であり、その地名のあるところは城があったと考えてよいそうです。岡本の根古屋(ねごや)には北根古屋と言う場所のあることも承応3年(1654)の検地帳にも見ることができます。
おそらく城跡に近接した集落の更(さら)に北方にあたる所に、現在も小高い場所として残る、岡本刑部遺跡(おかもとぎょうぶいせき)と伝えられる古城か館跡の付近にもあったに違いない古い地名を指しているのではないかと想像しています。根古屋は城主や武士の住んでいたところでもありますが、岡本城には西側の西町にも武士の住居があったと考えられ、上條・中條・下條・寺山・寺窪と言う地名が残っています。由緒を感じさせる家並です。
平成元年(1989)8月20日 第235号掲載