左から勝善神、十九夜塔、牛馬力神
根古屋(ねごや)の消防器具置場の前に、勝善神と筆太に書かれた高さ3mはあろうかと思われる、大きな石碑が建てられています。それは大正天皇の御大典記念(ごたいてんきねん)に建てられたものです。その外に、牛馬力神塔・60cm、十九夜塔・1mがあります。
根古屋の人達は「勝善神」を馬頭観世音様と唱え、「牛馬力神」と同じ日に祝いごとをしていたそうです。その日には餅をついたり、混ぜ御飯を炊き、同自治会の藤井神主に二代にわたって祝詞(のりと)を上げていただき、牛馬の無事息災を祈りました。
「牛馬力神」は、昭和10年(1935)に建てられたものです。勝善神が建てられた時、牛を祀る碑がなかったために、牛を憐(あわ)れんで、馬代りに使用していた牛を祀る意味を込め建立されたものであろうと思います。農家の方達のやさしい心根をしみじみと感じさせられました。十九夜のお祭りも、十九夜塔の前に赤飯(せきはん)を上げ、皆で念仏を唱え、その赤飯を若い嫁さんのいる家には量を多く分けて安産を祈ったものだそうです。心のなごむ話でした。以上は根古屋出身の手塚友先生の話を参考としました。
平成3年(1991)5月20日 第256号掲載