東下ヶ橋にある道しるべ
現在、主要道路にはどこにも交通案内標識がとりつけてありますが、戦前には分かれ道に行先案内に標柱が、地元青年団などによって建てられてあったものです。
今回は、これらに先駆けて江戸時代から町内にある「道しるべ」の一つを訪ねてみることにしました。
東下ヶ橋の路傍(ろぼう)に高さ1m余りの自然石の道しるべがありましたが、交通妨害になるとかで現在、近くの豊島さんの庭に移転されてあります。江戸時代からのもので梵字(ぼんじ)も記入され宗教的なことも考えられます。
「西 日光徳次郎 東 阿久津 道 北 氏家 行」
と刻まれています。
長い年月の間、道行く人の案内をつとめ、世の移り変わりを見つめてきたであろう、郷土の古き時代の名残りをとどめる遺産でもあります。
昭和54年(1979)7月20日 第114号掲載