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路傍の神々(12) 白沢南の火防金剛山・白雲山

 歴史を活かした町づくりの整備が進む白沢宿の南、桜づつみへ向う途中、九郷半川の辺りに須賀神社があり、この神社の北側に今回訪ねる「火防(ひぶせ)金剛山」・「火防白雲山」があります。

 

 金剛山は鹿沼市にある古峰神社で、古峰ヶ原(こぶがはら)山として広く知られています。

 

 鎌倉時代に修行僧が、日光山の金剛童子を神殿内に安置したため、金剛峰権現と呼ぶようになりました。建武年間(1336〜38)に大和葛城(かつらぎ)の金剛山を分祀(ぶんし)したので「金剛山」・「古峯ヶ原金剛山」と呼ぶようになり、明治2年(1869)の神仏分離令により、金剛童子は日光山に移され、現在の古峰神社となりました。

 

 

 火防・盗難除・海上安全・五穀豊穣(ごこくほうじょう)の神として、東北・関東信越に渡る広い信仰圏を持ち、古峰ヶ原講として村落単位に組織され、代参者を交替に派遣しています。

 

 白雲山は群馬県甘楽郡(かんらぐん)妙義山の北の峰を指し、妙義信仰の中心である妙義神社があり、広く火防の神として信仰されています。

 

 この金剛山・白雲山共に造立年については不明ですが、金剛山には世話人3名が刻んであり、型式も同じであることから同時に造立されたと推定できます。正面に神札を納める所があるのもこの塔の特色です。

 

 白沢は家屋が集まっていたので、度々(たびたび)火災に遇うこともあり、講を中心としてお互いに火に対して注意していました。今も昔も「火の用心」には注意したいと思います。

 

 両方共石造 高さ130cm

 

平成6年(1994)3月20日 第290号掲載

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