夏まつり(盆おどり)
お盆は8月13日から16日の間に行われ、13日が祖霊を迎える日で、16日が送り盆の日である。此の間は仏様と家族が一緒に暮して、仏様に現在の生活を見ていただくと共に、仏様をもてなして、送り盆の日にお帰りいただくのが一般の習慣である。実際には目に見えない仏様を、人格化していることがわかる。これは私達の心の中に祖先の霊が生きているわけで、日本人の祖霊信仰の一面を示すもので、我々の心にピッタリと来る表現である。
16日をオクリボンといい、この早朝に盆棚を片付け、飾り棚の上に供物を乗せ、茄子(なす)や胡瓜(きゅうり)の馬と共に川や辻などに流し送るのが此の辺の習慣である。
夜には盆おどりがある。一昔前までは、近郷近在のどこかで必ず行なわれたものである。踊りは単純で見ているうちに覚えられ、踊りの輪の中に入ってしまえば不思議である。昔は子供が踊ると叱られたもので、大人になるまでは見ているだけであった。現在は子供も踊れます。
平成4年(1992)8月20日 第271号掲載