1月20日はエビス講の日でもあったり20日正月などとも呼ばれて、楽しいコト日でした。エビス講は11月中旬にも行なわれていました。1月のエビス講にはお汁粉をつくって恵比寿(えびす)様と大黒様を神棚からお下して、お祭りをします。お膳をつくり、御飯、お煮しめ、尾頭付の魚や御神酒をお供えします。家族の持っているお金を一升升の中に入れて供え、お金に不自由しないでこの1年を過ごせる様に祈ります。秋のエビス講も同じお祭りをします。
右の様な風習は昔の人の素朴で純情な生き方や願望の中から生まれたものと考えられます。この様なある意味ではいじらしいまでの習慣が何故生れたのでしょうか。恐らく封建制時代の庶民達が貧しさの中から、えびす・だいこくの福々しさにあやかりたいとする願望からではなかったかと推察されます。正月のエビス講は今年1年の福を、又秋は収穫についての感謝の意をこめた民衆の意志表示ではなかったかと考えられます。
平成5年(1993)2月20日 第277号掲載