御来迎
東下ヶ橋の郷間清さんの話はなお続きます。
天祭の行事は風雨順調・五穀豊穣(ごこくほうじょう)・家内安全を願うもので、村人たちによって朝・昼・丑三(うしみつ)の一日三回、色紙を切った梵天(ぼんてん)を先頭に天棚の周囲を回る千度参りが行われます。
その間、冠をつけ白装束(しろしょうぞく)姿の「オンギョウサマ」の一人は天棚の上で、数珠(じゅず)によって回った回数を数え、行を助けます。
他の3人は近くの川で、4本の竹に注連縄をつけた水の中でオノットと呼ばれる「祝詞」を唱え身を清めています。
祝詞は、「帰命頂礼、サンゲ、サンゲ。六根清浄、おしめのはじらい、ゴンゴン清浄南無高尾山神社、アイメン同一じらい」と唱え、信者は「御来迎、御来迎」と叫び、太鼓の囃子(はやし)は「デンデン、バタバタ、ゴライゴウ」と叩きます。
そして、村人たちは三日三晩酒を飲みどおしということです。
(つづく)
昭和53年(1978)12月20日 第107号掲載