出土した貝がらの化石 斎藤氏採集(上組)
石の中に貝や木の葉の形が、残っていることがあります。これを化石といいます。
下田原久部の、山田川と目堀川との合流点、通称「団子山の岩崖」に二枚貝の化石の地層が見られます。このあたりの川底は大きな岩磐(がんばん)になっており、プールのなかった時代は、子供たちの水浴びで夏は、にぎわったものだと地元の古老のお話でした。
このあたりの地層は、塩原の木葉石と同様の現象が見られます。また、近くに白鷺ゴルフ場がありますが、造成当時たくさんの貝の化石が出土したことから見て、このあたり一帯は、海になっていたが長い間に隆起(りゅうき)して陸地となったためと見ることができます。
ある理科辞典によると、二枚貝の化石は日本の各地に発見され、特にこの貝は中生代に栄えたとあります。
このあたりには昔「湯場」と呼ばれる鉱泉があり、吹き出ものなどに特効があったといわれています。
昭和56年(1981)12月20日 第143号掲載