このたび、朝日新聞社と財団法人森林文化協会が、人々の暮らしによって育まれたすこやかで美しい里を選ぶ「にほんの里100選」の選定結果が発表され、河内地区から「西下ヶ橋」地区が選ばれました。
「にほんの里100選」は、日本各地に残る里の景観や自然は、人々の暮らしによって育まれてきたとの考え方に立って「景観」・「生物多様性」・「人々の営み」の3条件が揃った里を選定したものです。
昨年1月から候補地が公募され、4,474件の応募(候補地は2千以上)の中から現地調査し、映画監督の山田洋次氏を委員長とする選考委員会の審査を経て選ばれました。
河内地区北東部の西下ヶ橋地区は、豊かな自然環境が残されている稲作地帯。
湧水の多い谷川にはヤマメやホトケドジョウ、バイカモなど多様な動植物が生息しています。
土地改良事業で整備の計画が持ち上がったとき、水路などの改修で環境の急激な変化のために、水生植物が減少したり、消失してしまう恐れもありました。
そこで、国・県・市などの行政、地域や学校、またNPO法人グラウンドワーク西鬼怒などの関係機関が連携して水田地帯における生態系の保全と復元を目指し、農村自然環境整備事業に取り組んできました。
また、国の「農地・水・環境保全向上事業」を受けて、農家はもとより地域の人々が一体となって農村環境生態系の保全に取り組む活動団体“アグリネット西下ヶ橋”を設立。
生態系保全水路(どじょう水路)の整備を進めたり、用水路斜面にイワダレ草を植栽するなどの活動に取り組んでいます。
地元で農家を営む方は「この自然あふれる風景は、先人たちの残してくれた歴史やすばらしい自然環境に加え、長年グラウンドワーク保全活動に取り組んできた人々の情熱や努力の賜物です。
次世代にもこの地域の文化や魅力を伝えていきたい」と話していました。
谷川の朝焼け風景
地域情報紙かわち 第12号
(平成21年3月19日発行)より