後世に残したい伝統行事「天棚祭り・どんどん焼き」
上組自治会は,上田原町と下田原町の一部で,河内地区の西部寄りに位置しており,田園風景の中に学校やコミュニティプラザなどの公共機関,山田川の清流と沿岸サイクリングロード,丘陵地には神社やゴルフ場などがある世帯数200余の自治会です。
昨年7月に合同祭礼(秋葉神社,二荒山神社,金毘羅神社,天王様)の日に合わせ,お囃子会はじめ関係者の協力を得て,天棚を組み立て「天祭」を行いました。
天祭は,自然災害が起きないよう,風雨順調・五穀豊穣・家内安全などを天の神々や仏に祈願する行事で,古くから県内各地で行われてきました。
上組の天棚は,今から200年近く前の文政年間に作られ,彫刻天棚としては県内でも古い部類に属した貴重なもので,記録によりますと,戦前ではほとんど毎年天祭が行われていたようですが,戦後派2・3回行われたのみで途絶えておりましたが,平成12年に久しぶりに組み立て,街の文化財調査により有形民俗文化財に指定され,最近では,15・16年に続き,昨年は4年ぶりの開催となりました。
当日は,夕方から「呼び込み太鼓」に始まり,開会にあたり天祭と天棚の由来について詳解し,多くの参加者が祈願と合わせ彫刻天棚の素晴らしさを堪能し,かき氷や飲物,バーベキュー等に舌鼓を打ちつつ,子供会による種種のゲーム,おはやし演奏・体験,盆踊りなどを行い,地域内の方々との交流を図りました。
また,例年,年明けの1月下旬には「どんどん焼き」の行事が有志と自治会の協働により行われ,太い神木を中心に竹や茅でヤグラを組立て,正月の松飾りや古いお札類を燃やし,家内安全・五穀豊穣・商売繁盛を記念しており,夜空を焦がす神聖な炎は,誰もが吸い込まれるように見入ってしまい無心の境地になります。
また,火の周りではお神酒を酌み交わし,焼いた三色団子や豚汁などを食べながら無病息災を願っております。
これらの伝統行事は,農村部の都市化,少子高齢化など社会環境の変化により失われつつありますが,今後とも,私達自治会には歴史の有る立派な文化財や行事があることに誇りを持ち,後世に残し伝えていきたいと思います。
地域情報紙かわち 第14号
(平成21年7月発行)より