2009/8/28
八月二十二日(土)、台岡本にある岡本城跡で、二カ月にわたった城跡の範囲確認等の発掘調査(西側部分)が終了し、現地説明会が開かれました。
当日は地域内外から二百余名の方が参加し、市文化課職員から城の成りたちや調査結果の説明を受けました。
その後、全員で発掘現場や出土品の展示を見学しました。
調査により主に次のことが分かりました。
・本丸部分の堀は現在の位置より一メートル以上深いことや、土塁の規模が明確になった。
虎口(本丸出入り口)は木橋の可能性が高い。
・北側崖下に土塁と堀(水堀?)が確認できた。
・二の堀(畑の中)が確認できた。
・虎口内側の区画溝と二の堀から、カワラケ(素焼の陶器)などが出土した。
これらの結果から、岡本城は予想を上回る堅固で立派な城であり、守りがしっかりしていたものと考えられます。
築城された十六世紀頃の岡本地区には、約千五百~二千人が住んでいたようです。
城は城主や家臣だけのものでなく、「村の城」として有事には地域の住民を保護する所として機能していたと思われます。
今回の発掘調査により、新たな事実が分かったことで、地域の宝であると再認識されました。
今後は、これらの成果により地域の拠りどころになることが期待されます。
なお、来年度は東側部分の調査が行われる予定です。
▲虎口内側の区画溝と二の堀からは、カワラケ、
内耳土器、白磁皿などの一部が出土した。
地域情報紙かわち 第15号
(平成21年9月発行)より