下岡本の国指定重要文化財の岡本家住宅で、文豪芥川龍之介の直筆書簡2通、又、作家で芥川の親友「文芸春秋」創設者菊池寛が、当時の当主岡本憲氏にあてた書簡など10通、その他横光利一・山本有三などの書簡約250通が発見されました。
昨年東日本大震災で重文指定の母屋が被災し、保存のための修復工事を計画し、国にそれを要請したとのことです。
工事に際し屋内全ての家財道具類の搬出が必要であった為、手つかずに残されていた仏間を整理し、そこに一連の書簡類が保管されていることが分かったと、ご当主の岡本郁夫ご夫妻は話していました。
芥川の書簡は、宇都宮出身で後に「文芸春秋」編集局長を務めた、斉藤龍太郎らとその妻小常(旧姓 船田、元作新学院長)あてのものです。
又、菊池は戦時中妻と娘ら家族4人を、岡本家に疎開させていました。
終戦直後の宇都宮復興のために、映画館建設や市民講座「下野文化夏期大学」開設など、菊池を中心とした文化活動が、焼土化された宇都宮の地で行われていた事を示す資料も見つかっています。
又、岡本さんのお話しでは、修復後(平成26年秋以降)に、一般公開を考えているとの事です。
地域情報紙かわち 第31号
(平成24年5月発行)より