田原街道から田原小学校の北側を通って山田川を渡り、西の丘陵に向かって進んで行くと叶谷自治会に着く。
グリーンタウンと太陽ヶ丘団地に挟まれた19世帯の叶谷町だが歴史は古い。
縄文時代から丘陵には豊かな暮らしが在ったことが分かる、土器のかけらや石の鉄(やじり)などがたくさん出てくる。
叶谷という名前についての伝承では、宝亀四年(773)穀物の価格について近隣の住人と論争して勝ったので、叶谷という名になったという話があるが定かではない。
西の笠松山から流れ出る山水や沢水が叶谷の田畑を潤し、中央を流れる川を取り囲むように家々が立っている。
そのため地域のまとまりも良く、小高い丘の上の熊野神社が文化の中心だった。
また温泉の出るところもあって、桃源郷のようだったのですが、現在はゴルフ場や小学校・保育園が建ち人の往来も賑やかになった。
この土地に生きてきた古えの人達に感謝しながら、豊かな美しい自然が何時までも続くように、叶谷の“ほっとスポット”を大事にして行きたい。
地域情報紙かわち 第68号
(令和元年10月発行)より