当天棚彫物の裏面には
「免之内邑(村)彫り物匠工(しょうこう)高田伊左衛門彫刻之(これ)・文政四巳(み)歳(どし)(1821)十一月吉日」
とあり、このころ創建されたと思われます。
その後文久二年(1862)「天棚再建」(改造)の記録があり、この時期に多くの彫物の補刻と、彩色がされたと考えられます。
免の内村は現上河内地区にあり、彫物師高田伊左衛門は礒辺義兵衛2代目隆信(たかのぶ)の門人で、河内地区にも多くの作品を残しており、当地、稲荷神社の彫物にも「伊左衛門」の名があります。
彫物の種類も多く、波に龍、牡丹唐獅子、を始め、梟(ふくろう)、山(さん)鵲(じゃく)、兎のほか、障子の腰板には十二支の彫物が彫られています。
文政4年創建の彫刻天棚としては、歴史的にも大変古い部類に属しています。
平成19年に天棚収蔵庫が再建され今はその中に解体して収納してあり、地区の人々による本祭りの前の天棚組み立ては前祭りの楽しみの1つでもあります。